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戦略とエンジニアリングの融合
ークライアントに持続的な支援ができる世界を目指してー

対談

経済産業省より警鐘が鳴らされている「2025年の崖」(※1)。多くの日本企業はレガシーシステム(※2)を抱えており、5年以内にシステムの改革を迫られている状況です。
このような状況を踏まえ、ユナイテッド株式会社は、自社の戦略コンサルティングと、グループ企業である株式会社ブリューアスのアプリ開発技術を融合し、これまでにないサービスの提供が可能になりました。二社間の連携で企画から開発、運用まで一気通貫したシームレスな支援の実現を目指します。

本記事では、ユナイテッド株式会社の米田吉宏執行役員、株式会社ブリューアスの安川昌平代表取締役社長に、二社間連携による今後の展望やノーコードが実現する世界などについてお話を伺いました。

※1デジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組みが進まなければ、「2025年以降、最大で年間12兆円の経済損失が生じる」懸念のこと
※2過去の技術や仕組みで構築されているシステムのこと

ブリューアスの強みは黎明期から培ったアプリ領域における豊富なノウハウ

米田吉宏(以下、米田):
今年の2月からスタートしたブリューアスですが、どのようなきっかけでアプリ開発領域にチャレンジすることになったのでしょうか。

安川昌平(以下、安川):
新卒で入社した日本オラクルでの経験が大きいです。日本オラクルでは、基幹系システムの導入コンサルタントに3年間従事していました。さまざまな経験ができたと感じる一方、ひとつのプロジェクトが長く、自分が携わった実感がないままプロジェクトが変わってしまうんです。もっと手ごたえを身近に感じたいと思っていたところ、ちょうどアプリの波が出始めてきました。さらに、個人でアプリを作って一千万円儲けたという事例が出てくるなど、夢があるな、と感じたことがアプリ領域に興味を持ったきっかけです。実際に自分でMacBookを買ってObjective-cを勉強し始めたら「本当に作れるじゃん!」と思い立ち、次が決まらないまま会社を辞めました(笑)

米田:
そういうきっかけがあったんですね。

安川:
そうなんです。そしてその後たまたまトライフォート(ブリューアスの前身)の当時の代表と出会って、紆余曲折を経て一緒に会社立ち上げることになり、自分含め4人でトライフォートを立ち上げました。最初はゲーム開発がメイン事業だったのですが、自分はゲーム以外の領域にもチャレンジしたい思いがあり、当時の社長に非ゲームのサービスの開発をやらせてほしいと直談判して1人で受託の部門を立ち上げたのが今のブリューアスのはじまりですね。

米田:
なるほど!アプリ作り始めた当時はどのような時代でしたか。相当黎明期だったのでしょうか?

安川:
時代としては、ゲームで言うとパズドラが出始めてきたようなときでした。それまでは所謂「側アプリ」と言われているWebViewを使ったぽちぽちタップして進んでいくカジュアルゲームが主だったなかで、徐々にネイティブで作り込んでいき、リッチなコンテンツを作っていく時代に入ってきた頃でした。非ゲーム領域でもアプリを使って何か新しい体験をするというコンテンツが出始めた時期だったのですが、みんな何かしらの期待感はあっても、何をどうしたら良いかはわからないような状態でした。
これまでのWebでの開発体制からの移行に苦労している会社が多い中で、創業当時からずっと真にアプリの中で価値を提供することに特化して事業に取り組んできたので、ノウハウはかなり溜まっていると思います。

米田:
たしかに、徹底してアプリにこだわり取り組んできたことが現在の大きな強みにも繋がっていますね。

アプリ開発後も顧客に寄り添うことで提供価値の最大化をめざす

米田:
先進的にアプリに特化してきた中での強みは何でしょうか?

安川:
受託を8年近くやってきている中でさまざまな業種のアプリを作ってきたことは一つ強みですね。例えばショップで使う店舗系のアプリだったりFinTech、HRTechといった〇〇Tech系といった領域や、CtoCでのマッチングやチャットのようなコミュニケーションツールも作ってきましたので、事業としてはかなり幅広く経験があります。最近では、一つの技術だけでアプリを出すというよりは、色々と他業種のノウハウや技術を組み合わせながら新しい何かを作ることが非常に多いので、幅広い経験を活かすチャンスだと思っています。
あとは開発から運用まで一貫して対応できることも強みですね。アプリはやはりリリースした後の方が本当に大事で、ユーザーに満足して使ってもらえるように、苦情も含めてさまざまな意見をもとにアップデートを繰り返し、ファンを増やしていくことが非常に重要なんです。リリース後の運用まで一貫して対応できることはクライアントにとっても大きな安心材料になると思います。

米田:
開発と運用が一貫している、というのはかなり重要なポイントですね。実際に最初のローンチのみならず、そのあと実際に機能強化して改善していくことを大事にされているとのことですが、これまで培ったメソッドのうち、こういうことが活きているな、という裏付けはありますか?

安川:
宣伝だけでユーザーを伸ばすのではなく、アプリの改修を重ねて本質的な体験価値を高めることは非常に重視してきたポイントです。そのためにアプリ内に分析用のSDKや独自の機能などでユーザーの利用状況を見える化したり、クライアントのプロジェクトメンバーとスクラムを組んで「やりたいこと」「やらないといけないこと」を週次や月次で徹底的に話し合いながら機能を詰めていく形は、どちらか一方の「やりたいこと」「できること」に偏ることなく真にユーザにとって必要なことをやる上で大切なことだと思っています。

米田:
技術や、アプリに根差したユーザビリティの改善だったりUXの実現という分野が幅広い、かつ実績が多いというところは強みですよね。あとは複雑にさまざまな技術を実装して実現していく際、ビジネスサイドと連携しながら開発していけることも強みですね。また機能強化していく場面で改善しインパクトを出していくという3つの強みがあると言えますね。

UNITED Strategyとブリューアスの連携で、開発〜運用の”繋ぎ目”をよりシームレスに

米田:
今後、ユナイテッドのDXコンサルティング部門である “UNITED STRATEGY” とどう連携していくかも読者の方々にお伝えしたいですね。我々の強みは、戦略ストラテジーコンサルティング、マーケティング、ファイナンスのような領域にあります。また、オーソドックスな競合ベンチマークを徹底的に行い、どのような状態がベストかを突き詰め戦略のコンセプトへ落とし込むことはもちろん、ユーザーが真に何を求めているかや、サービスの課題やニーズを紐解いていくことも得意な領域です。アプリやシステムを構築して目指す姿をしっかり実現するために、その前段の戦略も我々の方で作りながら、実現のために必要なデータやどのような既存システムと連携するともっと効果的な施策ができるのかなどをブリューアスと一緒に考えていきたいです。

安川:
企画から開発まで一貫性を持ってゼロから作ることができるというのは本当に強みだと思いますし重要なポイントですね。我々もコンサルが上流に入っている新規事業で開発のみを担当させていただくことがあるのですが、結構技術的な裏付けがないまま画餅で終わって、開発段階で事業内容をピボットせざるを得ないこともよくあります。そうなるとかけた時間ももったいないし、我々としてもちゃぶ台を返さなくても良い方法を探ろうとするのですが、その時にはもうコンサルの人がいなくなっていて、誰と話したらいいんだろう・・・と戸惑うことも結構あるんですよね(笑)なので事業の企画側と開発側が一気通貫でトランスフォーメーションの支援ができることは事業を成功させる上でも重要です。アプリはリリースしたあと使ってもらわないと意味がないじゃないですか。実際ユーザに使ってもらったあとの改修に開発サイドの目線だけではなく、UNITED STRATEGYが使い手や経営層に客観的にヒアリングを行い、ブリューアスが改善していくというタッグを組んでいけるといいなと思います。

米田:
UNITED STRATEGYとしては前段の戦略中心ではあるものの、後工程への引き継ぎはもちろん、運用段階でも、ブリューアスと一緒になって「実はこうするべきなんじゃないか」と的確なアドバイスができます。

安川:そうですね。とくにBI系(※3)の話となってくると事業のフェーズによって結構KPIも変わってくるじゃないですか。ただ、我々が事業の継続性を判断するためのKPI設計から構築まで含めて全てできるかというと難しかったりもするので、そのようなタイミングで都度UNITED STRATEGYに入ってもらい、KPI再設計をしてどのようなデータが取れると経営的な判断につながるかをしっかりすり合わせしていけるといいなと思っています。

米田:
アプリの開発が走る時は、何かしらの投資判断があって、ROIが設定されていて、そのROIのリターン側を分解した時のパラメーターの目標水準に向けて動いていきますよね。ただ新規事業なので、その通りになることは非常に少ないです。上振れても下振れても見直しになるなかで、結局次の改修もどこにコストかけてどの程度のインパクトを出すか悩むという話は大いにありえます。そこまで伴走できるのは特徴的だと思います。

安川:
開発サイドから見た時にビジネスアナリシスはかなり特殊な領域でカバーしきれないことが多いと思います。もしかすると多くの受託開発の企業は「KPIをどうするかは御社で決めてください。決めてもらえれば作ります。」みたいなことを言ってしまうことが多いような気がします。

米田:
どうしても、日本ではエンジニアよりビジネスサイドが重要視されている側面が多いです。本当はどちらも重要で、しっかりエンジニアと意思疎通をはかった状態で戦略を練らないとうまくいかないと思います。目指したいのは、チームとして戦略もエンジニアリングも理解しているからこそ、そのあと何か起きた時のアクティベーション、強化していく中で継続的な支援ができるという世界です。マーケット状況や競争優位性は自社の強みやアセット考えた時にどれが成功しやすいかといった実現性も含めて、どんな事業を行いKPIをどう設定するかをUNITED STRATEGY側で練ります。そしてそれを実現するためのシステムはどうあるべきで機能はどういう形になった方がいいのかを、ブリューアスと一緒にでディスカッションしながら開発に落とし込んでいきたいですね。

※3 企業の情報システムなどで蓄積される膨大な業務データを、利用者が自らの必要に応じて分析・加工し、業務や経営の意思決定に活用する手法。

ノーコードはエンジニアの仕事を奪うどころか、むしろその価値を高めるツール

米田:
ノーコードのいいところは、5~6割の機能かもしれないけどザックリのPoCを回すことができてコストを極小化できるところですよね。もともと500、600万円で作らなきゃいけなかったものが10万円+人件費で作れてしまう、という具合です。最初のPoCフェーズというのはエンジニアを動かさずとも自分で低単価で作り、市場に適合しているかを確認して、うまくいったものを機能拡張するというのがいいかなと思っています。

安川:
おっしゃる通りで、極論ノーコードはエンジニアなしで作れるので間違いなくスピード感は早いです。ただもちろんなんでもできるわけではなく、ノーコードが提供している機能のなかでしか動けないので、PoCを実施した上で、リリースするアプリはスクラッチで作っていくという選択肢も出てくると思います。PoC段階であれば、リッチに作り込むというより事業決裁をちゃんと取りにいく、核となる機能を検証して事業コンセプトを固める意味合いが強いので、決裁が通れば捨てる前提で、スピーディに低コストにノーコードで検証するというのは効果的だと思います。

米田:
捨てる前提、まさにそうですね。全て安いノーコードで何とかしようとするのではなく、目的に照らして適切な手段を活用していくことも重要です。UNITED STRATEGYとしても、PoCフェーズであれば、場合によってクライアント様ご自身でノーコードで作ってみましょうよという提案もやっていくべきだと思っています。

安川:
あとローコードに関しては考え方次第ですけど、この言葉が出てくる前から全てをスクラッチで作るのではなく特定の機能に特化したツールやSaaSのようなものを上手く活用してスピーディに実現したいサービスを作るというのは普通にやられていることなんです。例えばアプリの認証とかPush通知とかをFirebaseを使ってさくっと出来てしまう、これって広義的にはローコード、コードを減らすことです。汎用的に使われている機能はローコードで実装し、一番サービスで売りとなる部分はちゃんと自分たちで作る、これは当たり前にやっていくべきだと思いますし、エンジニアはサービスの売りとなる機能をいかに高品質に実現するかが求められてきます。ローコードが進化することで逆にサービスの核となる部分をしっかり技術で解決できるようなエンジニアの需要は今後大きくなると思います。

米田:
アプリの開発に限らずどの領域でもそうですよね。企業の戦略を作る時にも、結局競争優位たるものは自分たちで磨き込まなければいけません。競争優位にならないコモディティは徹底的に無駄を効率化すべきだと思います。売上を作る時の差別化要素という部分は自分たちで模倣困難性が高いものだったり消費者にとって一番吸着力がある仕様を突き詰めなければいけないですね。

安川:
そうですね。ノーコードはアプリ導入の手助けのツールで、ブリューアスはその先の模倣困難性の高いアプリの真の価値提供というところでしっかりサポートしていきたいと思っています。ノーコードに仕事が奪われるとは思わないですし、むしろ専門性の高さがより強みとなっていくと思います。初期段階の開発や戦略の策定を行う中で、「真の価値をどこに見出すか」に重点を置き、UNITED STRATEGYとブリューアスでシームレスに連携を取りながら、クライアント様の目指す姿を実現していきたいです。