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海外先進国 15カ国事例から学ぶ
ニューノーマルの勝機

ウェビナー報告

新型コロナウイルスという敵に直面し、コロナ禍に苦しみながらも、各社厳しい状況に適応しようとビジネスを新しいステージへと進化させてきました。日本ではZoomを活用してテレワークを導入したり、ウーバーイーツで人気料理店のメニューを宅配することが、新たな常識になりつつあります。一方で変わることが苦手な日本人は、「早く収束してコロナ前の世界に戻ってほしい」と願うばかりで、アフターコロナやニューノーマルといった次の時代に向けての動きは、残念ながらまだまだ限定的です。そんな中、世界に目を向けると、ロックダウンも行われた都市も少なくないにもかかわらず、コロナ禍に対応し、アフターコロナも見据えたアイデア溢れるビジネスが、世界各国で続々と産声を上げています。
そこで今回は、『アフターコロナのニュービジネス大全 新しい生活様式×世界15カ国の先進事例』の著者である、原田氏、小祝氏をお招きし、世界15カ国の先進事例を紹介するとともに、ニューノーマル時代を勝ち抜くためのヒントについてお話いただきました。

アフターコロナを先読みする世界の先進ビジネス事例

小祝 誉士夫(以下、小祝):簡単に自己紹介させていただきます。株式会社TNCで創業より18年、日本と海外をつなぐ仕事をしています。「ライフスタイル・リサーチャー」という各国に住み現地に精通している日本人女性メンバーの協力を得て、海外の情報が日本企業や自治体の課題解決につながるよう従事しています。その方達はローカルのコミュニティに属しており、ローカルの目線でインターネットの情報にないようなマーケットのつぶさな動きを集めることに特化しています。

先日、書籍『アフターコロナのニュービジネス大全』を原田氏と出版しました。海外はこの危機的状況に対しどう動き打開したのか、「ライフスタイル・リサーチャー」とともに15カ国を調査。集めた200~300ほどの事例を原田さんと整理し、分析して書籍を出版しました。本日は、書籍のベースになった海外事例を紹介しながら、ニューノーマルの勝ち筋を考えていきたいと思います。

<株式会社TNC 代表取締役社長 / プロデューサー 小祝 誉士夫 氏>
1973年生まれ。大学卒業後、5年間のインドネシア勤務を経て、2004年から株式会社TNCの創業メンバーとしてマーケティング業界に従事。2008年に同社、代表取締役社長に就任。70カ国100地域600人の海外日本人女性のネットワーク『ライフスタイル・リサーチャー(R)』を主軸とした海外リサーチ、マーケティング業務のプロデューサーとして現在に至る。海外コンセプトの商品開発、海外トレンド視点の新規事業開発、海外市場におけるマーケティング戦略業務などの実績多数。 東京・神楽坂に「食」をテーマに海外と日本をつなげるプライベートレストラン「MAISON DE TSUYUKI」を運営。

原田 曜平(以下、原田):私は日本や海外で若者研究を長い間しております。TNCの小祝さんは世界中にネットワークをお持ちで、お仕事でご一緒させていただいた経緯があります。そんな最中にコロナ禍となり、日本は世界の中でも変化の少ない国だなと痛感しました。本来は、最大のピンチは最大のチャンスになり得るものですが、日本のテレワーク率は世界の先進国の中でも低いという例が象徴するように、日本ではコロナ前後で変化をあまり感じられません。日本企業の方とお話をしていると、自粛をして身を潜めていれば元通りになるだろうという考えが多く見受けられます。一方、世界では面白い事例があるはずだと考え、事例を集め互いに分析し書籍にまとめています。

<マーケティングアナリスト / 信州大学特任教授 原田 曜平 氏>
1977年生まれ。慶應義塾大学商学部卒業後、博報堂入社。博報堂生活総合研究所、研究開発局を経て博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダーを務める。退社後、信州大学特任教授、マーケティングアナリストとして活動。若者研究とメディア研究を中心に、次世代にかかわるさまざまな研究を実施。「マイルドヤンキー」や「伊達マスク」などの言葉の名づけ親としても知られる。著書に『さとり世代』『ヤンキー経済』『平成トレンド史』『それ、なんで流行ってるの?』『Z世代』など。日本テレビ「バンキシャ」などテレビ出演多数。

書籍の大きなテーマは“Beyond”としています。特に本日は書籍の中から“Beyond DISTANCE”、“Beyond LUXURY”、“Beyond LOCAL”、この3つをピックアップしてお話ししたいと思います。

Beyond DISTANCE(距離を超える)

小祝:われわれが事例を集める際に意識をしたポイントは、ポジティブな結果に至った事例を集めることです。そうしないと次のビジネスに転用できないからです。一番目立ったのは、VRやZoomによるビデオコミュニケーションといった事例です。これがわれわれのワークスタイルを大きく変えたポイントかと思います。

オンラインでのコミュニケーションが普及し、メタバースと呼ばれる、VRやアバター、仮想オフィス、3Dビジュアルなど、ヘッドセットを使用することでリアルよりも、よりリアリティのあるプラットフォームになりつつあります。そして、これらのサービスはさらなる進化の余地があります。Facebookの仮想オフィスは、調査時はローンチ前の実験・実証段階でしたが、今年に入り既に実装されているとのことです。

原田:若者研究の観点からもお話しします。最近NTTが単身者の転勤を禁止すると発表がありましたが、最近の若年層は転勤を好まない傾向にあり、待遇や安定感のある企業であっても、転勤のある企業は就職先として不人気となってしまいます。日本の若年層は地元・実家志向の傾向が高まっています。Zoomでの限界は誰しも感じており、先ほどの話のように、よりリアルに近づけていくことが非常に重要です。ですのでどこに住んでいても働けるような環境づくりという意味では、VRでリアルを超えるような3Dビジュアルを目指さないと、これからの人口減少社会で、地方に本社や支社があるような企業は人を呼び込めなくなってくるのではないかと思いますし、海外とは違った意味で重要なのではないかと思います。

小祝:先ほどはオフィス空間のお話をしましたが、自宅ではパーソナルトレーナーとつながることができる「スマートミラー」がアメリカでは流行っています。こちら以外にも、キッチンが世界でつながるような自宅の中のオンラインシステム化が進んでいくBeyond DISTANCEの事例を、他にも書籍で紹介しています。

原田:私はシニア研究もしていますが、“2025年問題”と言われているように団塊世代が後期高齢者になります。平成の時代は元気な高齢者と言われていた時代が、令和は要介護者が増えていく時代になり、今まで突入したことのない時代になっていきます。となると外出の機会もこれまでよりも少なくなり、このように自宅で健康管理ができるということは、日本にとって重要なことになってくるのではないかと思います。

小祝:イスラエルのデバイスでは、ホームドクターがより簡易的に実装できており、今後はスタンダードになっていくと思われます。また海外は礼拝や冠婚葬祭にもZoomが使われており、各国でオンライン化が見受けられました。タイではLINEのお参り代行サービスが登場するなど、LINEもローカルのライフスタイルや生活習慣に合わせて、いろいろなサービスを導入していることがよく分かるかと思います。

Beyond Luxury(贅沢の概念が変わる)

小祝:次は「Beyond Luxury」贅沢の概念が変わるというテーマについてご紹介します。デンマークに世界一人気と言われる高級レストラン「noma(ノーマ)」がありましたが、コロナ禍をきっかけに一気に業態変化をしています。今までの高級路線を排除し、地元住民のためにハンバーガーとワインを、屋外で家族や親しい仲間たちと気軽に食べれるようなカジュアル店に一気に変わりました。贅沢の概念が変わるというテーマで、象徴的な事例となります。

原田:日本だと有名・高級レストランがここまで変化をすることはなかなかありません。

小祝:そのあたりの臨機応変さがポイントで、贅沢の価値観を迅速に変え時代に素早くフィットしていった良い事例かと思います。

次の事例にいきましょう。世界的に種や苗の消費がとても伸びています。その背景としてステイホームをせざるを得ない時に、自宅でどのように過ごすかを考えたとき、家庭菜園やガーデニングをする人が増え、日本も例に漏れず消費が動きました。これまで贅沢な時間という概念ではなかったものが、”かけがえのない家族と植物を育て楽しむ時間が贅沢”という新たな価値観となった事例です。

原田:日本でも、世代にかかわらずこの1年で在宅の時間が増えました。韓国発の「センイルケーキ」は発色がよくカラフルで見映えがするため、日本でとても流行り、皆さん自宅で工夫して楽しんでいました。

小祝:続いて次の事例です。これまでの高級家電というと、音響設備などがありましたが、自分の免疫力を高めるために発酵家電の人気が中国で高まり、納豆を自宅で作ったり、ヨーグルトメーカーが非常に売れているとのことです。発酵食品は免疫力を高めることで、“発酵”がキーワードになっているのですが、ニーズに合わせた家電が贅沢のひとつになるのではないかと感じ、取り上げました。

原田:日本でも発酵食品や乳酸菌等は爆発的に市場が伸びました。先ほどもお伝えした通り今後は後期高齢者が増えますので、コロナが終息しても健康食品や関連家電の需要は伸びていくと思われます。

小祝:次はレストランの駐車場を利用し車中で食事ができる事例をご紹介します。こちらはソーシャルディスタンスを保ち、感染対策もしながら、車内でフルコースをいただけるとあって、車の価値観、存在意義が変わりました。

原田:これまで若者の車離れがありましたが、こちらもコロナ禍をきっかけに密を避けるための手段として親の車を借りたり、カーシェアリングを利用したり、車の需要が高まってきています。実際に乗ってみて車の楽しさを味わうことで、今後も需要があるのではないかと思っています。

小祝:こちらの事例の延長になりますが、海外ではドライブインシアターの他にコンサートや礼拝も車の中で観る、行うという、移動以外の需要も高まってきたなと感じています。

他にも美容系では、パーソナライズされた自宅美容クリニックサービスがアメリカで人気があり、個々のニーズに合わせたサービスの需要、タイニーハウスではこれまで狭い空間が贅沢とは感じなかったのが、広い自然の中にある贅沢な空間として価値観を感じるように変わっていったという事例があります。

Beyond LOCAL(地域はネクストステージへ)

小祝:上海のリサーチャーが住んでいる地域で顕在化した大変興味深い事例となりますが、地元の薬局がSNSのグループチャットを活用して、地域住民を結ぶコミュニティ運営をした事例があります。これまで薬やマスクなどを売っていた薬局が、コミュニティの軸になっていき、マスクの入荷時期を伝えたり、免疫力を高めるための情報や身を守るための知恵やワークショップのお知らせなど、地域を主導するような立場に店舗が変化していったということです。こちらは日本でもすぐに活用できる事例なのではないでしょうか。

次の事例です。ECやBtoCという形でDX化をしたくてもできないような、ローカルの小規模店がたくさんあると思います。そのようなお店がひとまとめになり、Amazonに対抗するような軸で、地産地消、地域とのつながりをウリにし、地元の経済を活性化させた動きもありました。ライブコマースは、日本でも進化の余地がある領域だと思います。中国や台湾ではライブコマースはかなりメインストリームになっています。例えば農家がコロナ禍で農産物が捌けなくなり出荷ができずにいたところ、農家自身が自分の農園からライブ中継を行い、消費者とダイレクトに販売を行った事例がありました。新しく面白い動きの一つですね。

原田:日本のライブコマースは美容系インフルエンサーが若い世代に向けて、化粧品のPRをするのが主流かと思います。まだまだ市場が大きくなっている最中ですが、化粧品に特化している傾向があり、ターゲットも若者向けになっている状況です。よく考えれば日本は中高年の人口が多く、シニア調査の結果では意外とYouTubeの利用者が増えている状況です。なぜかというと、高齢になってくると目が悪くなってきて文字が見えづらくなり、商品を購入した際に取扱説明書も読みにくいという状況の中で、YouTubeで動画検索をすると丁寧に見せてくれ、一時停止もできるというメリットがあるからです。ですので化粧品かつ若者のターゲットのみならず、高齢者を含め中高年にもライブコマース型の需要は高まっていくと思われますので、さまざまな業界が今後チャレンジしていける領域かと思います。

小祝:そうですね、特にローカルにいる人は旅気分のような情景も交えながら配信できるのが、今後はメリットになってくるのではないでしょうか。

つづいてデンマークの事例をご紹介します。ステイホームの状況の中、各家庭で窓際にくまのぬいぐるみを置くことが自然発生的なブームメントになりました。ほのぼのしていて北欧らしい事例だと感じました。デジタル大国である北欧のデンマークですので、ぬいぐるみが飾ってある家庭をデジタルでマップに落とし込み“くまを探せ”というような、ご近所を楽しむアクティビティにまで持ち上げた事例がとても面白い発想だと感じました。世界の事例を見ていくと、デジタルに頼る打開策が多いのですが、この事例のように少し人肌のあるようなヒューマンタッチ×デジタルのハイブリッドの動きが、私個人としても参考になりました。

原田:北欧は皆様もご存じの通り、もともとおうち時間が充実しています。加えてデジタル化も既に対応済で外出しなくても行政の手続きなどもできるように完備されています。日本より先をいっているエリアからどんな事例が出てきたかと思えば、意外とアナログな事例でした。日本もアフターコロナの時代にデジタル化が叫ばれ、もちろんそれも大切なのですが、一方その分欠けてしまうリアルでしか見えない価値を北欧が見せてくれたと思っています。ご近所とのぬくもりはどうしてもデジタルでは味わえないですし、窓際にぬいぐるみを置くだけで交わりはなくとも、温かさを感じれる事例です。日本でもこのコロナ禍で、香水を作ったり、絵を描いたりするカフェやバーが若者の間で非常に流行しました。こちらもアナログでないとできないことで、アフターコロナの時代は必ずしもデジタルだけじゃなく、デジタルが進むことによって欠けてしまう部分の需要は大きくなるので、それも見ていかなくてはいけないことが、とても勉強になる部分かと思います。

小祝:もう一つアナログの事例をご紹介します。タイの事例が非常にユニークかつ、温かみのある事例でした。タイでは、町中に棚を置き、そこへ余っている食材や食料を置くという「お裾分け棚」が普及しました。さまざま場所に同時発生的に棚が設置され、生活に困っている人がそこから食料を調達できていたということです。こちらはタイの仏教精神を表しており、アナログなのですが何かのヒントになるのではないかと考えさせられました。直近ではアメリカなどでも同様の事例が出てきています。「コミュニティフリッジ」という公共の冷蔵庫が置かれ、タイの事例を筆頭に草の根的に広がっている様子が大変興味深いです。

アナログに対して次はデジタルの話になりますが、ボランティアと自宅療養者の支援ネットワークを構築した例です。日本でも自宅療養者が医療機関とうまく連携が取れていなかった例もありましたが、そのあたりをアプリでうまくボランティアを稼働させることができており、こちらはデジタルの力で解決できた例となります。

こちらは一例となりますが、皆様のビジネスのお役に立てるような事例をご紹介してまいりました。

参加者の皆様からのご質問

関 彩(以下、関):それではここからは、参加者の皆様からのご質問について、お答えしていきたいと思います。

<関 彩 ユナイテッド株式会社 UNITED STRATEGY, Vice President>
京都大学大学院農学研究科卒業後、2009年ベイン・アンド・カンパニー新卒入社。全社成長戦略の立案や複数のM&A案件、新規事業創出案件などに取り組む。2015年株式会社ビューティーエクスペリエンス入社。経営企画部長として従事。2020年ユナイテッド株式会社入社。事業戦略部長、人材開発部部長を経て、2020年12月からUNITED STRATEGY Vice Presidentに就任。DXソリューションの立案、マーケティングを担当。

質問:海外の新たなビジネスの事例をそのまま取り入れるのではなく、これらをヒントにして新しいイノベーションを起こす必要があります。どのようにすれば良いでしょうか。

原田:日本の場合、なかなか変わることのできない企業が多く、根深い課題だと感じています。これには2つ重要なポイントがあると思っています。

ひとつは、日本のメディアの情報がアメリカの情報ばかりということです。最近は中国の情報も入ってきたりもしますが、今日の資料をご覧いただければ、必ずしもアメリカばかりではないということがお分かりかと思います。これを機にアメリカ以外の国の情報にも目を向けてほしいです。

ふたつめは”掛け算”をして、自分の会社の業界や領域にアジャストすることです。先ほどご紹介した事例をまねするだけでは難しいと思いますので、書籍をたたき台に、日本や自社流に落とし込むことが重要だと思います。そのための議論をしないと、イノベーションを起こすことは難しいのではないでしょうか。日本製品を他地域にうまく”掛け算”できた事例として、マンダムの「ギャッツビー」を挙げます。インドネシアではまだまだ貧困層があり、整髪料すら購入できない人達がいます。ですのでパックに小分けにし「パパママストア」で販売したところ、販売が伸びたとのことです。自社の強みや市場に掛け合わせて応用していくことが非常に大切です。

小祝:私も同様でいかにアンテナを立てて海外の成功事例を収集するかだと思います。先に動いた海外事例が後に日本にも入ってきます。そのあたりを意識しておくと、自社のアドバンテージにうまく変えていけるのではないかと思います。

関:ありがとうございます。広く見ることに加え、適用する際にどこをローカライズしアジャストするのか、という点を見極めると良いということですね。

続いてのご質問です。

質問:ご近所のくまのぬいぐるみの事例は非常に温かい事例で良いなと感じました。一方で、そのような取り組みを、企業が事業として継続的に行う活動に転換するにはどのような視点が必要でしょうか。

原田:ぬいぐるみの事例から学べることは2点あります。

ひとつはもともとデジタルが進んでいる北欧から例が出てきたというように、コロナ禍で物づくりのお店は非常に重要が高まり、デジタル化が進んだからこそ生まれた事例なのではないかということです。物は買いに行かなくてもデジタルで購入することはできます。ただ作ることは、デジタルではできない部分があったり、買わなくて良い分、リアルな体験がより大きくなっていったということだと思います。スウェーデンの事例から日本のどこが盛り上がっていくのかを予測することが重要なポイントです。

ふたつ目はエンターテインメントとの掛け合わせにするということです。日本ではさまざまな企業がSDGsの取り組みをしていて、Z世代に調査を行っているのですが、評判はいまいちです。日本の企業は何が良くないかというと、その企業がやる必要のないことをしている場合が非常に多いという点です。ソーシャルテーマと自社の想いを掛け合わせた事であればものすごく広まると思います。ただ社会的に良いことをしようということではなく、ある程度SNSで拡散していくことを念頭にいれると、エンターテインメントとの掛け合わせが必要になってきます。そういったことも学ぶことができる事例なのではないでしょうか。

関:ありがとうございます。確かにエンタメ、楽しむという要素がこの書籍の中でも随所にあり、日本の中で硬く考えていては生まれないような良いアイディアがたくさんあると思いました。一方でSDGsやビジネスの事業についても楽しい要素を取り入れていくことが、これからの時代はすごく重要になってくるのではないかと思います。そのあたりは原田様の研究などを参考にしながら、自分自身も知見を深めていきたいと思っています。

つづきまして私から質問となります。

質問:アフターコロナの世界は、コロナ以前の世界とどのような点が決定的に異なるでしょうか。

という点についてぜひ伺いたいと思います。すでに事例を通じてお話いただいた部分もあるかと思いますが、改めていかがでしょうか。

小祝:こちらは事例がまさに“Beyond”というくくりにしていますが、価値観が大きく変わってアフターコロナで進化したものや変化したものが定番になっていくことは間違いないと思います。そこの見極めをしっかり持ったうえで進めていくことが、今までと大きな違いになるのではないでしょうか。ですので今回進化した部分はしっかりと認識して、アフターコロナに進んでいく必要があると感じています。

原田:正直に申し上げると、「進んでみなければ分からない」というのが現状の回答です。ただ、よく言われるように元に戻ることは絶対にないと思います。コロナ禍で学んだことを基に、さまざまなことを取捨選択できるようになっていくと思います。ですので、リアルが勝てばリアルな世界に動いていくでしょうし、オンラインが勝てばオンライン化にシフトしていく、という構造になると思います。重要なのは、生活者にとってどちらが良い体験かということなのです。リアル超えしたオンラインができればそれが勝ちます。そうではないものは、恐らくコロナ後はリアルに戻っていくだろうと思います。

関:ありがとうございます。 ユナイテッドは、2020年2月の新型コロナウイルスが騒がれ始めたときから在宅勤務に切り替えましたが、基本は在宅勤務でも、どうしてもリアルで会いたいという気持ちがあります。それをコロナ禍でどのように実現するのか、リアルの模索やオンラインで社員同士をどうボンディングさせようか、試行錯誤をしています。その中で消えていく施策もありますし、オンラインでも他部署間で交流が活性化した施策もありました。事業やサービスも同様で、勝敗はユーザーが決めていくのですが、まずはスタートラインに立つ、つまり何か施策を打ってみる、そしてアップデートしていくことが重要だと思います。

最後に参加者の方からのご質問です。

質問:海外の先進事例について大変興味深く施策を拝読しました。事例を収集する中で心掛けていたことがあれば教えてください。

小祝:冒頭でお話したように、とにかくポジティブな事例を集めることをリサーチ条件にしました。コロナ禍においても、生活を豊かにすること、前向きで明るい気持ちになれる事例を収集すること心掛けました。先ほど関さんもおっしゃっていましたが、海外では辛い状況下で我慢をするのではなく、楽しみを追及するような事例を発見することができました。ですので、楽しめるエンタメの要素は今後生活の価値観を変えていくことになる部分になるのではないかと思っています。

関:本日は貴重なお話をありがとうございました。